大内） まずは藤田さんのご経歴について教えていただけますでしょうか。

藤田さん） 学生のころは工業デザインを勉強しており、新しい家電や未来のショッピングセンターのサービスデザインを作るということを学んでいました。例えば新しい掃除機を提案するために、インタビューやアンケート、調査などをした上で、「こういうところにこんな掃除機があったらいいんじゃない？」という仮説を立ててデザインをしていました。
ただ、当時iPhoneが出てきたころで、物理的なデザインだけではなく、デジタルの世界にも魅力を感じていました。またゲームにも非常に興味を持っていたので、ゲームの基盤を使って世の中に役立つサービスをつくるということもやりたいことの一つでした。
結局、ゲーム会社は新卒採用で全部落ちてしまって（笑）、前職のナビゲーションサービスを提供する会社にデザイナーとして入社し、キャリアをスタートしました。大型車専用のカーナビ開発の企画からリリース、運用までを担当し、他にはイベントのブースデザインなども経験しました。

大内） TCに入社したきっかけはなんですか？

藤田さん） 一番のきっかけはCESで、e-Paletteコンセプトを知ったことです。トヨタ自動車は単なるメーカーだと思っていましたが、e-Paletteを筆頭に、モビリティサービスを提供する会社に変わっていこうとしているのを知りました。新卒入社の際も大事にしていたのは「何かしらの強みがある会社」であったのですが、トヨタコネクティッドはそのモビリティサービスを提供していく基盤に非常に強みがあるな 、と興味を持ちました。前職はスマホに閉じたサービスを提供することがメインであったのですが、トヨタコネクティッドではデジタルとフィジカルを掛け合わせて、世の中に変革を起こしていくことができると期待して入社しました。

大内） 現在はどのような業務に従事しているのでしょうか？

藤田さん） 現在はUXデザイナーとして、次世代車輛の機能を体験から設計しています。企画～画面作成～実装まで、エンジニアと密にコミュニケーションを取りながらプロジェクトを進めています。こちらはトヨタのグローバルプロジェクトなので、トヨタ自動車、TCの北米や欧州拠点のメンバーと協業して進めています。ただ関係者が多くいることで、重複した内容をそれぞれがデザインしてしまっていたり、目指す方向性が違っていたりという難しさがあり、今後改善していきたい課題も多いですね。

大内） 先日お子様が生まれて、育休も取っていましたがいかがでしたか？

藤田さん） 育休は、家庭と仕事のバランスを取る上で有効に活用することができました。育休中はずっと家事育児に専念し、復帰後に向けて妻と話し合ったり、生活が楽になるルーティンの構築をしました。例えばグローバルミーティングがある日は早朝から打合せが始まりますので、他の日で集中的に仕事をするように調整したりしています。

大内） トヨタコネクティッドに入ったことで得た学びや成長できたポイントはありますか？

藤田さん） 前職では自社サービスを開発していたので、UXデザイン工程を作りこむというよりも、すぐに実装したりしていました。現在はリサーチした結果をコンセプトにし、コンセプトをもとにストーリーボードにしていくなど、しっかりと工程を踏んで、関係者間で丁寧にUXデザインを共有していると思います。フィジカルとデジタルにまたがる領域に携われている点でも、UXデザイナーとして良い経験を積めていると思います。
また海外拠点のメンバーを含め関係者が非常に多いので、多くのステークホルダーと調整や座組をしながらプロジェクトを進めることも成長につながっていると感じますね。

大内） ありがとうございます、最後に今後トヨタコネクティッドで挑戦したいことを教えていただけますか？

藤田さん） 短期的には、よりエンジニアリングの知見を高めていきたいと思います。デザインは描いただけでは終わらず、それをカタチにするエンジニアリングの力が非常に重要です。カタチに出来ないがゆえに、デザインが思い描けないということや、カタチを作る過程でデザインのアイディアが深まるということもあると感じています。
それが出来るようになったら、作ったものを実現させる、いろいろな人に共有していく、ということがしたく、ディレクションやマネジメントに挑戦したいです。
また新卒時代に憧れたゲームの技術も、拡大解釈されて多くの領域で活用されるようになってきています。社内でもゲームエンジンを活用した試験研究プロジェクトなどが行われており、積極的に自分も関わっていきたいですね。

藤田さん、ますますのご活躍に期待しております！

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